鎖骨骨折の箇所と発症率は鎖骨の中部が80%、内側が5−6%、外側は12−15%である。
骨折のサインは同側のSCM(胸鎖乳突筋)のスパズム、その際にSCMは骨折箇所から近位部の鎖骨を上方へ、遠位部は下方へ上肢は下垂する。その他に大胸筋は内側にスパズムを起こすので患者は健側で患者の腕を支えるであろう。
X-ray検査はかならず必要になり、他の組織へのダメージの有無も同時に確認する。例えば、鎖骨下にある動脈、静脈、神経への影響による、上肢のマヒ、痛みなどである。
治療は鎖骨を固定する手術が行われ、中にはワイヤーで固定しその後に切開して取りのぞく方法がとられる。
カイロプラクターとして必要なことは骨折が治った後のリハビリ期にある。受傷後の組織の損傷、固定により組織の柔軟性低下、関節可動域低下がおこり、これを放置することは二次的な障害を起こしかねない。よって、元の筋ー骨格系の機能改善にはカイロプラクティックがかならず必要となる。関節機能不全があればもちろんアジャストは必要となる。鎖骨骨折で影響する関節は胸鎖関節、肩鎖関節、肩甲骨、上部の肋骨、頸椎であり、それらの関節周辺部の筋群緩和操作もおこなうとよい。カイロプラクターは関節機能不全以外に関節可動域亢進にも注目する必要がある。その場合は筋強化のストレングスエクササイズを取り入れとよい。