人間の体は、その2/3が水で構成されている。また人間は体温が36度~37度とい至適温度域を持つ恒温動物である。つまり、水と熱の反応系の中で、生命活動を営んでいるのが人間である。この熱の問題については既存の生理学、生化学理論だけでは事実を説明するには疑問を感じたので、熱化学を生物に応用し起きている現象や事実と照らし合わせて考えてみたいと思う。
基礎代謝の基本概念は人間が安静状態で生きるために必要な1日あたりの最小エネルギー量、あるいは最小熱量Kcalで表し、人間は炭水化物や脂肪、あるいは一部のたんぱく質を燃焼させて、生命活動エネルギーを得ており、これがATPからADPまでの変換の過程で生まれるエネルギーとしてとらえている。しかしこの考え方は、上記の熱化学の概念から見ると疑問なところがあるように思う。
基礎代謝理論では炭水化物が酸化する過程での発熱式という非常に単純な化学式から熱量を導き出している。しかし実際には人間の体からは熱にしても遠・中・近赤外線のような輻射産物が出ていることが証明されていて、基礎代謝論はこのような輻射物や輻射現象を捉えていないようにも思える。
また「安静状態」という非常にあいまいに思える。
人間の細胞の中で最も多くエネルギーを消費するのが脳細胞であり、全身の14%ぐらいのエネルギーを消費するといわれている。
また、思考活動の大きい人間の脳は、安静状態でも精神的な不安や葛藤があると、相当量のエネルギーを消費しているとみられる。
さらに基礎代謝論では固体保全に必要な1日の熱量は1400Kcalとされているが、修行僧の一部は何十年間も恒常的に950~1100Kcalで支障なく暮らしている。しかも運動量は普通の人以上に多いかもしれない。このように考えると基礎代謝の値そのものが疑問に思えてくる。
人間の至適温度域まで体温を上げるのに、内部での燃焼が必要であることは言うまでもない。しかしもう一度よく考えなくてはならないのが、恒温動物である以上は至適温度を保つために熱を捨てなければならないということだ。現に人間は呼吸時に大量の体外に排出している。これが少しの間でも停滞すれば肺は炎症を起こす。これはX-rayでも証明されていることで肺炎と同じような白いくもりが写ることがある。恒温動物は呼吸と同じように、熱を外へ捨てるのをかたときも怠ることができないのである。
熱を体外へ捨てるには非常に高度な制御系がないとできない。これには膨大な制御エネルギーが必要になる。実はこのエネルギーが基礎代謝量ではないかと思う。つまり基礎代謝量は体温を至適温度域に一定に保つために消費されるエネルギーなのではないかと思えてならない。
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